とりとめのない日々の出来事
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

続き
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 03:55:40.66 ID:5iVnYSWr0 [32/40]
千早「……≪月桂冠≫かもしれないわ」

 千早ちゃんが小さくつぶやく
 ≪月桂冠≫については昨日教えてもらった

 その日の残った中で、一番の力作
 何故残ったのか不可解なぐらいのもの

 それを、半額神自らが自信を持って推薦する意味を持って貼る特別なシール
 そしてそれを貼られた弁当そのもののことを

 ≪月桂冠≫と呼ぶのだと

春香「……あの、スペシャルハンバーグ弁当?」

千早「えぇ……あれをとったものが、今日の覇者」

 ご飯ですよの瓶を手にとった千早ちゃんが、くるくるとラベルを眺めながらいう
 私が食べたいと思っているのが伝わったのか、軽く息を吐いてこう続けた

千早「本来……≪月桂冠≫が出たら全員がプライドをかけて狙うの」

春香「……千早ちゃん」

千早「でも私……今日は魚が食べたい気分なのよね」

196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 04:02:39.16 ID:5iVnYSWr0 [33/40]
春香「……・?」

千早「でも、二つ名持ちとしては放置していくのも逃げるようで癪なの……春香」

 ここまで聞けば、さすがに察する
 つまり千早ちゃんはこう言ってるんだ

 「私は月桂冠を狙わない。でも月桂冠は『私達』がとらなければいけない」

 ―――と。私が、月桂冠を取れと

春香「……信じてくれるの?」

千早「春香を信じられないのなら、誰も信じられなくなっちゃうわ」

 すごく、嬉しい
 千早ちゃんは私を信じて任せてくれた

 なら私はこの期待に応えてみせる!

春香「……よしっ! まかせて!」

千早「えぇ……お願い」


198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 04:13:07.70 ID:5iVnYSWr0 [34/40]
 そのまま私達は桃屋のご飯のお供シリーズのビンのラベルを熟読し続けながら時を待った

 お腹が今にも鳴ってしまいそうな緊張感の中
 ただ、ひたすら時を――――


 キィ、とあの独特のドアの音が鳴る
 あのおじさんが……半額神が姿を現した

 思わず息をのむ
 半額神はお惣菜の配置を正しはじめた

 そして……貼る
 整え終わったお惣菜のパッケージ達へ黄色い祝福が降り注ぐ
 あのお惣菜はもう半額なんだ

 すべてのお惣菜に貼り終えたところで、次は弁当コーナーへ
 綺麗に並べ直すとまた半額シールを取り出し次々と貼っていく

 そしてすべての弁当に……いや、まだあのスペシャルハンバーグ弁当には貼ってない
 だけどこれまでの半額シールをしまってしまった

春香「……千早ちゃん」

千早「……ええ」

 これは、いよいよもって間違いない

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 04:18:10.75 ID:5iVnYSWr0 [35/40]
 そして半額神は独特の模様のついたシールを取り出した
 あれが……≪月桂冠≫!

 ぺたり、と静かにスペシャルハンバーグ弁当へと貼り付け終わると値段に二重線を引いて訂正した
 ―――『半額』と

 そしていつものようにドアのほうへもどっていき

 いつものようにこちらへ一礼をして

 いつものようにドアが――――

春香「はああぁっ!」

千早「……!」

 ――――閉まった

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 04:23:12.79 ID:5iVnYSWr0 [36/40]
 ドアが閉まると同時に駆けだす
 昨日とはまるで身体の軽さが違う

 お腹が減っていると力が出ないとばかり思っていたけど違うんだ
 今、この場に限って言えば……空腹を、腹の虫を制御しないと勝てない!

 一直線に弁当コーナーへ飛びこむ
 一気にかっさらえるかとも思ったけれど、横から妨害が入ってそううまくはいってくれなかった

坊主「っち……おいおい嬢ちゃん、初心者の目じゃないぞ?」

 昨日一昨日とお世話になった坊主さんだ
 でも、今は遠慮しない……遠慮できない

 お腹が減っている

 とっても、はらぺこなんだ

 あのハンバーグに……齧りつきたい!

春香「ああぁぁぁッ!」

 腕にありったけの力を込めて叩きつけると坊主さんはガードごと吹っ飛んだ


202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 04:29:18.55 ID:5iVnYSWr0 [37/40]
春香「っふ!」

 振りぬいた腕の慣性に引っ張られるようにその場で回転
 ハンバーグ弁当に手を伸ばそうとして、また防がれる

茶髪「……やるじゃない、新入りさん!」

 初めてここに来た時、動けなくなった私に渇を入れてくれた人だ
 千早ちゃんが無理をし続ける結果にならなかったのはこの人のおかげだ

 でも、今私はお腹が減っているんだ

 茶髪の女の人の豊満な胸が揺れる
 千早ちゃんの声が近くで聞こえた気がした

千早「……悪いけれど、邪魔させないわ!」

茶髪「へぇ……入れ込んでる、じゃんっ!」

 気のせいじゃなかったみたいだ。後ろから飛びこんだ千早ちゃんがそのまま茶髪さんと打撃戦へもちこんだ
 一瞬だけど目があった時に千早ちゃんが『任せろ』といってくれた気がする

 今度こそ。既に周りには人垣ができ始めている

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 04:35:03.80 ID:5iVnYSWr0 [38/40]
 邪魔されずに手を伸ばせるラストチャンスだろう
 これで取れなきゃ、乱戦での振る舞いなんて私にはわからない

 そこへ滑り込むように現れたのは……初日にお弁当をさらっていった顎鬚の男の人

顎鬚「待ちな……悪い、がっ!?」

春香「えいっ! ごぉ、めんな……さいッ!」

 手を弾こうと動いているのがわかったので、どこか別の場所で攻撃できないかと考える
 考えながらもちっともいい案が浮かびそうにないのでその思考中の頭を顎鬚さんにぶつけた

 顎鬚さんがひるんだ隙に後ろへと投げ、近付いていた他の人達へのけん制にする

 完全にフリーになった私はそのまま――――

春香「ああああああっ!」

 ≪月桂冠≫を手に入れることに成功した
スポンサーサイト


追記を閉じる▲
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 03:55:40.66 ID:5iVnYSWr0 [32/40]
千早「……≪月桂冠≫かもしれないわ」

 千早ちゃんが小さくつぶやく
 ≪月桂冠≫については昨日教えてもらった

 その日の残った中で、一番の力作
 何故残ったのか不可解なぐらいのもの

 それを、半額神自らが自信を持って推薦する意味を持って貼る特別なシール
 そしてそれを貼られた弁当そのもののことを

 ≪月桂冠≫と呼ぶのだと

春香「……あの、スペシャルハンバーグ弁当?」

千早「えぇ……あれをとったものが、今日の覇者」

 ご飯ですよの瓶を手にとった千早ちゃんが、くるくるとラベルを眺めながらいう
 私が食べたいと思っているのが伝わったのか、軽く息を吐いてこう続けた

千早「本来……≪月桂冠≫が出たら全員がプライドをかけて狙うの」

春香「……千早ちゃん」

千早「でも私……今日は魚が食べたい気分なのよね」

196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 04:02:39.16 ID:5iVnYSWr0 [33/40]
春香「……・?」

千早「でも、二つ名持ちとしては放置していくのも逃げるようで癪なの……春香」

 ここまで聞けば、さすがに察する
 つまり千早ちゃんはこう言ってるんだ

 「私は月桂冠を狙わない。でも月桂冠は『私達』がとらなければいけない」

 ―――と。私が、月桂冠を取れと

春香「……信じてくれるの?」

千早「春香を信じられないのなら、誰も信じられなくなっちゃうわ」

 すごく、嬉しい
 千早ちゃんは私を信じて任せてくれた

 なら私はこの期待に応えてみせる!

春香「……よしっ! まかせて!」

千早「えぇ……お願い」


198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 04:13:07.70 ID:5iVnYSWr0 [34/40]
 そのまま私達は桃屋のご飯のお供シリーズのビンのラベルを熟読し続けながら時を待った

 お腹が今にも鳴ってしまいそうな緊張感の中
 ただ、ひたすら時を――――


 キィ、とあの独特のドアの音が鳴る
 あのおじさんが……半額神が姿を現した

 思わず息をのむ
 半額神はお惣菜の配置を正しはじめた

 そして……貼る
 整え終わったお惣菜のパッケージ達へ黄色い祝福が降り注ぐ
 あのお惣菜はもう半額なんだ

 すべてのお惣菜に貼り終えたところで、次は弁当コーナーへ
 綺麗に並べ直すとまた半額シールを取り出し次々と貼っていく

 そしてすべての弁当に……いや、まだあのスペシャルハンバーグ弁当には貼ってない
 だけどこれまでの半額シールをしまってしまった

春香「……千早ちゃん」

千早「……ええ」

 これは、いよいよもって間違いない

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 04:18:10.75 ID:5iVnYSWr0 [35/40]
 そして半額神は独特の模様のついたシールを取り出した
 あれが……≪月桂冠≫!

 ぺたり、と静かにスペシャルハンバーグ弁当へと貼り付け終わると値段に二重線を引いて訂正した
 ―――『半額』と

 そしていつものようにドアのほうへもどっていき

 いつものようにこちらへ一礼をして

 いつものようにドアが――――

春香「はああぁっ!」

千早「……!」

 ――――閉まった

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 04:23:12.79 ID:5iVnYSWr0 [36/40]
 ドアが閉まると同時に駆けだす
 昨日とはまるで身体の軽さが違う

 お腹が減っていると力が出ないとばかり思っていたけど違うんだ
 今、この場に限って言えば……空腹を、腹の虫を制御しないと勝てない!

 一直線に弁当コーナーへ飛びこむ
 一気にかっさらえるかとも思ったけれど、横から妨害が入ってそううまくはいってくれなかった

坊主「っち……おいおい嬢ちゃん、初心者の目じゃないぞ?」

 昨日一昨日とお世話になった坊主さんだ
 でも、今は遠慮しない……遠慮できない

 お腹が減っている

 とっても、はらぺこなんだ

 あのハンバーグに……齧りつきたい!

春香「ああぁぁぁッ!」

 腕にありったけの力を込めて叩きつけると坊主さんはガードごと吹っ飛んだ


202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 04:29:18.55 ID:5iVnYSWr0 [37/40]
春香「っふ!」

 振りぬいた腕の慣性に引っ張られるようにその場で回転
 ハンバーグ弁当に手を伸ばそうとして、また防がれる

茶髪「……やるじゃない、新入りさん!」

 初めてここに来た時、動けなくなった私に渇を入れてくれた人だ
 千早ちゃんが無理をし続ける結果にならなかったのはこの人のおかげだ

 でも、今私はお腹が減っているんだ

 茶髪の女の人の豊満な胸が揺れる
 千早ちゃんの声が近くで聞こえた気がした

千早「……悪いけれど、邪魔させないわ!」

茶髪「へぇ……入れ込んでる、じゃんっ!」

 気のせいじゃなかったみたいだ。後ろから飛びこんだ千早ちゃんがそのまま茶髪さんと打撃戦へもちこんだ
 一瞬だけど目があった時に千早ちゃんが『任せろ』といってくれた気がする

 今度こそ。既に周りには人垣ができ始めている

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 04:35:03.80 ID:5iVnYSWr0 [38/40]
 邪魔されずに手を伸ばせるラストチャンスだろう
 これで取れなきゃ、乱戦での振る舞いなんて私にはわからない

 そこへ滑り込むように現れたのは……初日にお弁当をさらっていった顎鬚の男の人

顎鬚「待ちな……悪い、がっ!?」

春香「えいっ! ごぉ、めんな……さいッ!」

 手を弾こうと動いているのがわかったので、どこか別の場所で攻撃できないかと考える
 考えながらもちっともいい案が浮かびそうにないのでその思考中の頭を顎鬚さんにぶつけた

 顎鬚さんがひるんだ隙に後ろへと投げ、近付いていた他の人達へのけん制にする

 完全にフリーになった私はそのまま――――

春香「ああああああっ!」

 ≪月桂冠≫を手に入れることに成功した
スポンサーサイト

【2012/06/16 22:25】 | 2ちゃん
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。