とりとめのない日々の出来事
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

続き
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 00:55:24.85 ID:5iVnYSWr0 [10/40]
春香「ちーはーやーちゃん?」

 私のご飯はどんべえだけだから実はポット近くで待機していたことに深い意味はない
 どうにか逃れたと思った千早ちゃんが、私の追撃に動揺しているのは目に見えて明らかだ

千早「う……あ、お茶出さなきゃ」

春香「さっき出してたでしょ、ほらこれ」

 どうにか席を立とうとする千早ちゃんをひきとめる

 亜美や真美じゃないけれど
 ……こういう時の千早ちゃんはいじりがいがあるのだ

春香「ねぇ千早ちゃん?」

千早「な、なにかしら」

春香「……やっぱりなんでもないっ♪」

千早「もう……」

 膨れている千早ちゃんもかわいい
 実に楽しい待ち時間を過ごすことができた

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/06/15(金) 01:01:54.11 ID:BvL/mOC/0
ほう…

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:02:15.03 ID:5iVnYSWr0 [11/40]
春香「……そろそろいいかな?」

 何度もしてきた行為なのに、この瞬間は少し緊張する
 ペリペリと、ふたをはがして中から香ってくる芳醇な湯気を吸い込む

春香「んー、いいにおい……千早ちゃんのは?」

千早「あっ、そういえば……あけるわね」

 千早ちゃんの買ったお弁当は幕の内弁当
 正直なところ、これといってピンと来るものがないイメージだったんだけれど……

春香「うわぁ……」

 とんでもない誤解だったのかもしれない
 色とりどりの飾りやおかずたちはそれぞれが自己主張をしながらも決してくどくない
 まさに和風のお弁当のお手本のような気品をまとっていた

春香「……あっためてみるのと、ちょっと通り過ぎるのだと全然違うんだね」

千早「そこをきちんと見抜けると、腹の虫の加護は一層強くなるのよ」

 千早ちゃんが少し得意そうにしながら割り箸をペキンと二つに割った
 お茶はさっき注いだし準備万端だ

春香「それじゃあ…・・・」

千早「えぇ」

「「いただきます」」


156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:10:44.85 ID:5iVnYSWr0 [12/40]
 どんべえの、そば
 おそらく最後に食べたのは小学生のころだったんだと思う

 とってもおいしいと思ったかきあげが、どんどんとつゆを吸い込みサクサク感を失っていく
 あれに子供心ながら無情さを感じた覚えがあるからだ

春香「でも……もうそうは問屋がおろさないんだから」

 別でとっておいたかきあげを、そばのつゆの上に浮かべる
 まるで大海の中にぽつんとある無人島のように、その存在はどこか危うい

春香「……まだ、まだ、まだ。今!」

 ほんの一口だけ齧る
 まだまだかきあげ本来の味のほうを強く感じる

 そのまま汁を少しだけすすってやると、口の中でかきあげが溶ける感触がした
 やっぱりどんべえは出汁がおいしい

 こくん、とかきあげの溶けたつゆを飲み込むと、今度は麺へ手を伸ばす
 そば自体の味も……そういえば年越しそばぐらいしか普段食べてない気がしてきた

春香「ふぅ、ふぅーっ……あむっ」

 思いっきり音を立ててすすっちゃう
 やっぱりおそばはこれが正しい食べ方なんだと思う
 人前ではできないことだけど……千早ちゃんにならいいよね?

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/06/15(金) 01:12:37.91 ID:UW3OLxu/0 [2/3]
どん兵衛食いたくなってきたじゃねーかコノヤロー
この時間になんて暴力的なSSなんだ!

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:15:58.68 ID:jPdJepHW0
俺はどん兵衛買ってきちまった

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:17:11.70 ID:JwRsqctl0 [1/2]
お腹減ったんだけどどうしてくれる!

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:21:36.37 ID:5iVnYSWr0 [13/40]
春香「うん……おいしい!」

 なるほど、どんべえのそばってこんな味だったんだ
 うどんみたいなコシのある麺や甘いおあげもおいしいけれどこれはこれで

 少しずつつゆが染みていってしまうかきあげを助けるようにかじる
 だんだんとサクサクとした食感が、かじった瞬間に溶けていくような優しさを帯び始めていた

 うどん派だったけど、ばかにできない感じがする
 さすがどんべえ、どんべえに貴賎なしっ!

春香「……ん?」

 ちらりと、千早ちゃんの方を見る

 千早ちゃんは自分の幕の内弁当の中の西京焼きを箸でつまんだままこちらを見てフリーズしていた
 ……ずっと見つめられてたんだとすると、すごく恥ずかしいんだけど

千早「あの……春香」

 ちょっとお下品だったのかな……
 反省しなきゃいけないかな? と思っていたけど、続く言葉に私は少し驚いた

千早「ひとくち……わけてもらえないかしら?」


164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:31:39.01 ID:5iVnYSWr0 [14/40]
春香「うん……いいよ?」

 願ってもない提案だ
 正直、私のどんべえはどこにでもあるどんべえだ
 その気になれば、今すぐ近くのコンビニまで歩けば買えてしまう

春香「でも―――」

 でも、千早ちゃんの幕の内弁当はきちんとした『お弁当』だ
 そりゃあコンビニにだって普通のお弁当は売っているけれど
 これはあのスーパーでひとつひとつ手作りされたものなのだ

春香「千早ちゃんのも、わけて欲しいな?」

千早「えぇ、もちろん……あ、これおいしいわよ」

春香「本当? じゃあ遠慮なく……んむっ」

 千早ちゃんは優しいなぁ
 オススメされた西京焼きは、かじってみればほくほくと身がほどけていく
 単純な焼き魚とも一味違うコレは、お米が欲しくなる味でもあった

春香「……んっ!?」

 そういえば、お米持ってなかった!
 昨日はおにぎりを一緒に買ったけど今日は売り切れてたらしいし……くぅ

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:33:23.43 ID:UW3OLxu/0 [3/3]
あーんしてるのかね?
素晴らしい

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:35:22.77 ID:JwRsqctl0 [2/2]
はるちははホンマ至高やでえ…
スポンサーサイト


追記を閉じる▲
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 00:55:24.85 ID:5iVnYSWr0 [10/40]
春香「ちーはーやーちゃん?」

 私のご飯はどんべえだけだから実はポット近くで待機していたことに深い意味はない
 どうにか逃れたと思った千早ちゃんが、私の追撃に動揺しているのは目に見えて明らかだ

千早「う……あ、お茶出さなきゃ」

春香「さっき出してたでしょ、ほらこれ」

 どうにか席を立とうとする千早ちゃんをひきとめる

 亜美や真美じゃないけれど
 ……こういう時の千早ちゃんはいじりがいがあるのだ

春香「ねぇ千早ちゃん?」

千早「な、なにかしら」

春香「……やっぱりなんでもないっ♪」

千早「もう……」

 膨れている千早ちゃんもかわいい
 実に楽しい待ち時間を過ごすことができた

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/06/15(金) 01:01:54.11 ID:BvL/mOC/0
ほう…

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:02:15.03 ID:5iVnYSWr0 [11/40]
春香「……そろそろいいかな?」

 何度もしてきた行為なのに、この瞬間は少し緊張する
 ペリペリと、ふたをはがして中から香ってくる芳醇な湯気を吸い込む

春香「んー、いいにおい……千早ちゃんのは?」

千早「あっ、そういえば……あけるわね」

 千早ちゃんの買ったお弁当は幕の内弁当
 正直なところ、これといってピンと来るものがないイメージだったんだけれど……

春香「うわぁ……」

 とんでもない誤解だったのかもしれない
 色とりどりの飾りやおかずたちはそれぞれが自己主張をしながらも決してくどくない
 まさに和風のお弁当のお手本のような気品をまとっていた

春香「……あっためてみるのと、ちょっと通り過ぎるのだと全然違うんだね」

千早「そこをきちんと見抜けると、腹の虫の加護は一層強くなるのよ」

 千早ちゃんが少し得意そうにしながら割り箸をペキンと二つに割った
 お茶はさっき注いだし準備万端だ

春香「それじゃあ…・・・」

千早「えぇ」

「「いただきます」」


156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:10:44.85 ID:5iVnYSWr0 [12/40]
 どんべえの、そば
 おそらく最後に食べたのは小学生のころだったんだと思う

 とってもおいしいと思ったかきあげが、どんどんとつゆを吸い込みサクサク感を失っていく
 あれに子供心ながら無情さを感じた覚えがあるからだ

春香「でも……もうそうは問屋がおろさないんだから」

 別でとっておいたかきあげを、そばのつゆの上に浮かべる
 まるで大海の中にぽつんとある無人島のように、その存在はどこか危うい

春香「……まだ、まだ、まだ。今!」

 ほんの一口だけ齧る
 まだまだかきあげ本来の味のほうを強く感じる

 そのまま汁を少しだけすすってやると、口の中でかきあげが溶ける感触がした
 やっぱりどんべえは出汁がおいしい

 こくん、とかきあげの溶けたつゆを飲み込むと、今度は麺へ手を伸ばす
 そば自体の味も……そういえば年越しそばぐらいしか普段食べてない気がしてきた

春香「ふぅ、ふぅーっ……あむっ」

 思いっきり音を立ててすすっちゃう
 やっぱりおそばはこれが正しい食べ方なんだと思う
 人前ではできないことだけど……千早ちゃんにならいいよね?

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/06/15(金) 01:12:37.91 ID:UW3OLxu/0 [2/3]
どん兵衛食いたくなってきたじゃねーかコノヤロー
この時間になんて暴力的なSSなんだ!

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:15:58.68 ID:jPdJepHW0
俺はどん兵衛買ってきちまった

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:17:11.70 ID:JwRsqctl0 [1/2]
お腹減ったんだけどどうしてくれる!

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:21:36.37 ID:5iVnYSWr0 [13/40]
春香「うん……おいしい!」

 なるほど、どんべえのそばってこんな味だったんだ
 うどんみたいなコシのある麺や甘いおあげもおいしいけれどこれはこれで

 少しずつつゆが染みていってしまうかきあげを助けるようにかじる
 だんだんとサクサクとした食感が、かじった瞬間に溶けていくような優しさを帯び始めていた

 うどん派だったけど、ばかにできない感じがする
 さすがどんべえ、どんべえに貴賎なしっ!

春香「……ん?」

 ちらりと、千早ちゃんの方を見る

 千早ちゃんは自分の幕の内弁当の中の西京焼きを箸でつまんだままこちらを見てフリーズしていた
 ……ずっと見つめられてたんだとすると、すごく恥ずかしいんだけど

千早「あの……春香」

 ちょっとお下品だったのかな……
 反省しなきゃいけないかな? と思っていたけど、続く言葉に私は少し驚いた

千早「ひとくち……わけてもらえないかしら?」


164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:31:39.01 ID:5iVnYSWr0 [14/40]
春香「うん……いいよ?」

 願ってもない提案だ
 正直、私のどんべえはどこにでもあるどんべえだ
 その気になれば、今すぐ近くのコンビニまで歩けば買えてしまう

春香「でも―――」

 でも、千早ちゃんの幕の内弁当はきちんとした『お弁当』だ
 そりゃあコンビニにだって普通のお弁当は売っているけれど
 これはあのスーパーでひとつひとつ手作りされたものなのだ

春香「千早ちゃんのも、わけて欲しいな?」

千早「えぇ、もちろん……あ、これおいしいわよ」

春香「本当? じゃあ遠慮なく……んむっ」

 千早ちゃんは優しいなぁ
 オススメされた西京焼きは、かじってみればほくほくと身がほどけていく
 単純な焼き魚とも一味違うコレは、お米が欲しくなる味でもあった

春香「……んっ!?」

 そういえば、お米持ってなかった!
 昨日はおにぎりを一緒に買ったけど今日は売り切れてたらしいし……くぅ

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:33:23.43 ID:UW3OLxu/0 [3/3]
あーんしてるのかね?
素晴らしい

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/06/15(金) 01:35:22.77 ID:JwRsqctl0 [2/2]
はるちははホンマ至高やでえ…
スポンサーサイト

【2012/06/16 22:25】 | 2ちゃん
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。